1.タラソテラピーとは？

タラソテラピーは、19世紀にフランスで発祥した健康法の一種です。「タラソ」とは、ギリシャ語で海の意味を持ち、フランス語で療法の意味を持つ「セラピー」と組み合わせて、「タラソテラピー」という言葉が生まれました。その名前の通り、海に関連する素材を利用して、健康促進や病気の治療に活用しようという考え方がタラソテラピーの基になっています。タラソテラピー発祥の地であるヨーロッパでは、医師が行う医療行為として施術されることもあるほどです。日本では、タラソテラピーのことを「海洋療法」と呼ぶこともあります。

基本的な施術としては、海水に浸かって海のミネラル成分を体に取り込んだり、海泥や海藻の使用されたパックを肌に直接塗ってケアしたり、といったものがあげられます。前述のように、治療やリハビリテーションとして取り入れられることも多いのですが、最近はリフレッシュや美容効果を目的として施術を受ける方が増えてきているのです。

2.タラソテラピーの種類

タラソテラピーの療法は、大きく3種類に分けられます。どの療法も、体に不足したミネラルをすばやく吸収することで、健康促進効果を高める効果があります。

2-1.海水入浴療法

海水に浸かって、体の中に海のミネラル成分を取り込む入浴療法です。イオン化されたミネラル成分を口からではなく、皮膚から吸収させます。体表面からイオン化したミネラルをすばやく取り込んで、各細胞に届けられるのがメリットです。届けられたミネラル成分は体の中で活性化し、体内を温めます。それにより、冷え性の改善や、肌の保湿効果、体質改善などの効果が期待できます。

2-2.海泥療法

海泥は、長時間かけて海の底に堆積されミネラルを豊富に含んでいます。プランクトンなどの有機物を豊富に含んでいる海泥は、保湿効果が高く、鎮静や殺菌の効果の高い点が特徴です。とくに温めた海泥は、保湿力が高いことで知られています。海泥はとろりとした柔軟性のある手触りで、肌に密着させやすく、高いパック効果が期待できます。肌に直接海泥をぬることで、ミネラル成分の吸収力を上げ、冷え性やデトックス効果が期待できるでしょう。

2-3.海藻療法

ミネラル成分が、豊富な海中で育った海藻を利用した療法です。海藻には多くのビタミンが含まれ、ヨードやアミノ酸などの豊富な栄養素も含んでいます。ヨードは、脂肪分解作用や、老廃物や毒素が排出されるデトックス効果を持つ成分です。施術としては、ペースト状にした海藻を直接肌に塗り、パックとして利用します。肌から直接ミネラル分などの海藻の栄養素を取り込めるため、冷え性改善やデトックス効果が期待できます。

3.タラソテラピーの効果

タラソテラピーには、人間が本来持っている治癒力を高める作用があります。

3-1.冷え性改善と美肌効果

海のミネラル分には、細胞を活性化させる効果があり、冷え性改善や体のリズムを正常な状態に戻す効果が期待できます。海水に含まれるミネラル成分は、体に浸透しやすく、肌に必要な栄養素を深層部まで届けてくれます。お肌のきめを整えて潤いを満たしてくれる効果があり、美肌を求める方に人気です。

3-2.筋肉の緊張緩和

温めた海泥には、筋肉の緊張を和らげる働きがあります。デスクワークや立ち仕事による「こり」に悩んでいる方には、最適な施術です。肩や腰、ふくらはぎなどの筋肉が緊張した部分に、温めた海泥を塗ることで血行が促進され、筋肉をリラックスさせる効果があります。冷えからくる神経痛にも効果的です。

4.まとめ